SS高垣楓「あったかも知れない1日の1コマ」鷹城恭二
※不明確な設定について、一部妄想含んでいます。
\ピンポーンピンポーン/
規則正しい電子音が小気味良く鳴りながら、私の入店を真っ先に歓迎しました。
私は久しぶりにコンビニへ来たのです。
こんばんは、高垣楓です。
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原因を辿れば約10分前のことです。
今日のお仕事も終わり、モデル仲間の方との打ち上げがてらのお夕食もいただき、後はstay homeするだけ…
…だったのですが、どうにも今夜の私はお家で1人晩酌をしたいようでした。
忙しすぎて人知れず鬱憤を抱えていたのかもしれませんね、うっふん♪なーんて♪ ふふっ
と、他人事のように聞こえるかもしれませんが、私の心とは裏腹に体が勝手に冷蔵庫に忍ばせていた秘蔵のワインを求めていたのですから仕方ありません。
ワインを取り出し栓抜きとグラスを棚から取り出し…とここまで来て大事な物が欠けていることに気づきました。
そう、おつまみです。
冷蔵庫の中は空っぽ。
普段でしたらブルスケッタや揚げパスタ等手軽におつまみをこしらえるのですが、何せ今日の私は仕事終わりで時間はもう22時。
流石に作る気力はありません、どうしましょ?
そして思い付いたのです。
そうだ、コンビニに行きましょう♪
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モデルとしてそれなり知名度はあったことは自負していたので、帽子を被り黒縁の眼鏡をつけての変装スタイル♪
そんな格好で近所のコンビニへ足を運んでいたのでした。
「いらっしゃいませ」
背の高い青年のアルバイトさんの挨拶に軽く会釈をしながら、私が向かった先はおつまみコーナー。
チーズに、サラミに、生ハムや枝付き干し葡萄まで!
コンビニといえど、見事な品揃えです。
ワインのおつまみを所望していたので、商品棚からサラミと、それから冷蔵のカマンベールチーズを手に取り、私は颯爽とレジへ向かいました。
「お願いします。」
「お預かりいたします。」
店員さんが唸るようなレジ打ちをする中、私はふと店員さんを見て、それから思わずあっと声をあげてしまいました。
「こちらお会計の方が○○円でございます。」
「…」
「あの?」
「あ、はい。えーと○○円ですね…」
驚いたのも無理ありません。
何故だと思いますか?
それは店員さんの瞳が、私と同じ碧と翠のオッドアイだったからです。
おまけに同じ所にほくろまで。
私の眼の色は生まれつきのもので、幼少からよく珍しがられました。
当然周りに私と同じ瞳の色をした方など1人もいませんでした。
それがこうも唐突に。こうもあっさりと。
それで思わずあっと言ってしまいました。
「お箸はおつけしますか?」
「あ、いえ結構です。」
我に返った私は輝くおつまみ達の入った袋を両手で受けとりました。
「ありがとうございました。」
「ありがとうございました。またお越しくださいませ。」
私のお礼に連動して、店員さんもまたお礼を述べて、私はコンビニを後にします。
あれからしばらくコンビニは行けず、結局そのオッドアイの方とは一度もお会いすることがありませんでした。
こういうのをドッペルゲンガーとでも言うのでしょうか?
何とも少し不思議な体験でした。
ちゃんちゃん♪
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「って話を応募しました。」
「『世にも奇妙な物語』にですか?…高垣さん、大変申し上げにくいのですが、少しインパクトに欠けるのではないかと。」
「あら、そうですか?」
「ええ、おそらく番組の構成としてはストーリーのオチがしっかりしてる方が良いかもしれせんね。」
「それでは採用してもらえないのかもしれませんね…残念です。」
「いえ大丈夫です。元々高垣さんのオファーは再現VTRの主人公役でしたので。」
「あら?てっきり私のお話を聞きたいのだと勘違いしてました、ふふ♪」
「高垣さんには私の話を聞いて欲しかったです。」
「むー、お酒の席で難しいお仕事の話はめっです。」
「難しい?…あ、いや仰る通りです、ふくれないで下さい。」
「ふふっ♪」
「それで話を戻しまして、再現Vの共演者ですが、最近注目を浴びているBeitの鷹城恭二さんでー」
End.
Ps,キャラクターの設定資料があれは見たい位二人の外見の共通点があった面白いですよね。
全く家族構成も違いますが、生き別れの姉弟みたいな二次創作ありそう…(こなみかん)