《写真を見てSS》 浴衣ユッコで「子どもの頃」
子供のころ、家族や友達と何度も見たこの景色。
7800発もの大輪が故郷を色鮮やかに照らす綺麗な夜空。
子供のころ、家族や友達と何度も来たこの場所。
白、ピンク、緑が水面をパレットのように飾りつけるように美しい蓮が広がる公園。
だけど今日は…今夜だけはその1つひとつがとても特別。
躓いた私を優しく受けとめてくれた時から?
いちご飴屋さんとのサイキックじゃんけんを暖かく見守ってくれた時から?
それとも…人混みの中、そっと私に手を差し伸べてくれた時から?
ううん、違う。
プロデューサーと花火に行くと決まってからずっと
ずっと胸の高鳴りがテレパシーの受信を妨げている。
それが少し不安で。でもこの瞬間が凄く幸せで。
神様、どうかこの瞬間だけは使命を忘れて普通の女の子でいさせてください。
「ユッコは…裕子は、プロデューサーの夏の思い出になれそうですか…?」